宮台真司『制服少女たちの選択完全版 After 30 Years』
出版記念 講演&トークイベント
会場にて書籍先行販売!
※刷り上がりのスケジュールが変更になったので、会場にて受付し後日著者のサイン入り書籍をお送りします。
あれから30年
いまた私たちは何を見据え、何を予感すべきなのか?
社会学者である著者は、1990年代に「援助交際」という言葉を世に広めた。その背景には膨大な「社会理論」とフィールドワークという「社会調査」が存在した。この方法は、社会で一体何が起こっているのかを表面的に理解するのではなく、ある事象には必ずある<前提>が存在することを明らかにした。つまり社会現象を解明するのに役立つ、一段も二段も深い理解を一層容易にしたのだ。しかしそのデータを理解する人々が少なかったのもまた事実である。時は2025年。1990年代よりも不確かで、ある種の敏感さに欠ける時代に、著者の一貫した、鋭い眼差しが今なお一層必要とされている。
日 時:2025年4月19日(土)
会 場:神戸YMCA三宮会館 2Fチャペル 神戸市中央区加納町2-7-11
内 容:16時〜 記念講演 宮台真司
17時〜 トークイベント 宮台真司&阪田晃一(神戸YMCA・キャンプディレクター)
19時 終了
参加費:無料 ※書籍代は3,000円+税の予定です。会場で先行販売します。
定 員:80名
申込み:こちらから https://forms.gle/vFqe2arxHGD1Eass5
出版記念講演&トーク
『いま私たちは何を見据え、何を予感すべきなのか?』
宮台 真司 × キャンプディレクター 阪田 晃一
「基督教青年会」の略であるYMCAは、設立以来「青少年育成」に携わっていている。2025年3月、Netflixで『アドレセン』というドラマが公開された。思春期の青少年がこの世界をどう生きているのか。何を「確かさ」だと感じているのか。その繊細な意識を映し出す。
青少年育成をしている者なら必ず眼にする“adolescence”という名称。前思春期の若者を指す。この時期の教育は重要だから“Youth Development”という名称が存在する。ドラマの舞台はイギリス。「子どものための臨床心理家」を育成している数少ない国だ。そしてロンドンはYMCA発祥の地でもある。上手くいっていると思っていた国で何が起こっているのか。“adolescence”という切り口それ自体が鋭く、切れ味が良い。社会現象の微妙な変化を感じる「敏感さ」がなければ作られるはずもないドラマである。
さて宮台真司氏も同じような鋭さを持つ。だから学者でありながら映画批評家の顔を持つ。『制服少女たちの選択』は<倫理>を扱ったものだ。<倫理>とは何か?<倫理>とは絶対的な基準、規範となる何かだ。本書では「近代的な倫理は日本には存在しない」と断言されている。じゃあその代わりに、人々を、若者たちを支配している、そして、これから大人になっていく子どもたちを支配していく「価値観」とは何か。本書では、人々の実存に影響する「確かさ」の感覚が、家族の在り方、共同体の在り方、社会の在り方、そしてそれらに取り囲まれて育つ個人の在り方に依存し、その感覚はどうやって育まれるかが、歴史的に空間的に考察されている。
<倫理>と似たような概念に<道徳>がある。<道徳>は<倫理>ではない。道徳とはその時代時代で変わっていくものだからだ。
本書の核心は、この<倫理なき道徳>が支配する国で起こる現象の奥にある、人間存在の根源的なある形式を示している点にある。オウム真理教事件、阪神淡路大震災(=ボランティア元年)から30年。果たしてこの世の中は少しでも良くなっただろうか。それらの教訓が生かされていると言えるだろうか。人々が「確かだ」と無条件に思っているその意識は、本当に確かなものだろうか。『制服少女たちの選択』は、そうした「なんとなく周囲に合わせて生きること」から自由であろうとした少女たちの存在をこの世に知らしめた画期的な著作である。
Powered by YMCA
キリスト教青年会は、1844年にロンドンで起こった青年運動に始まりました。神戸キリスト教青年会は1886年に発足しました。2020年より宮台真司さんと「社会という荒野を仲間と生きる」戦略をさまざまな形で実践しています。当日はキャンプディレクター阪田晃一が座回しを務めます。
***4/17更新
プレトークイベント開催決定!
体験デザイン研究所風の谷 荒野塾・雑談篇

なぜ野外実践とコンテンツ実践をするのか
デリダの「証言の言葉」と、芸術の「言葉のために機能する非言語」
内 容:出版記念イベントに先立ち、宮台真司・阪田晃一が主宰する「体験デザイン研究所風の谷」で、定期配信されている【荒野塾・雑談篇】の公開収録&LIVE配信が行われます。テーマは『なぜ野外実践とコンテンツ実践をするのか〜デリダの「証言の言葉」と、芸術の「言葉のために機能する非言語』。人々が何を前提として生きているのか?野外実践とはいわゆるキャンプや森の学校に代表される「体験教育」。コンテンツ実践とは、宮台さんがずっと続けてこられている「映画批評と映画体験」を基盤とした教育。なぜその二つが呼応関係にあるのか。さらには、今とこれからを見据えた時に、これ以外の実践はあり得ないと思えるのはなぜか。鋭く切り込みます。
チケットの販売はこちらから!
https://shop.erhemos.org/products/live-derrida